編入について④本番と締めくくり

2018/09/09

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早稲田の試験のために東京に飛び、試験を受けた。
高三の時、大学受験の時以来の早稲田。
懐かしい感情がすげーこみ上げてきた。
あの頃は仲間と一緒にそれぞれの志望校を目指してやってた。でも今回は周りには誰も知ってる人はいないし友達もほとんどが普通に大学生活を送っていた。こうして編入試験なんて受けてるのは俺くらいのもので。
そう思うとなんだかすごい孤独感を感じた。
気づきもしなかったけど、俺は飛び出そうとしていた福岡の大学の環境に、大学生という状況にすごく依存していたんだなと思った。もっと上を目指そうと、夢を追いかけようと、そう思ってやってこれてたのも福岡のみんなのおかげ、大学のおかげだったんだなって感じた。

全力を尽くして受けた。隣には社会人と思しきおじさん。普通の大学生っぽい人が大半だったけどそういう人もいた。いろんな人がいろんな想いを抱いて受験しに来ていた。そして誰しもが擦り切れそうになった参考書やマーカーだらけのプリント、きたねえノートを持って最後まで必死にやっていた。
俺は欲張ってすべてをエンジョイしてやってきた。それに後悔はなかった。自分なりに編入を受ける準備も整っていたつもりだった。でも周りの奴らは何かを犠牲にして、編入に全てをかけてやってきていた。そう感じた。覇気が違った。

英語、小論、面接と全て全力を尽くして受けた。

福岡に戻り、期末試験をすべて一夜漬け。というか行きの電車だけの勉強でサクサクと終わらせた。夜はICUの過去問を解いていたから。

東京に飛び、現役時代一緒に東京を目指して一足先に東京にきていた親友たちと現役時代に早稲田の入試の前日に食いに行った店に焼肉を食って他愛のない話をして。
そしてついにICUの入試の日を迎える。
朝にも友達は見送りにきてくれた。感謝しかない。
よっしゃ頑張ろうと思った。早稲田の時と打って変わって周りは制服の高校生ばかり。でもみんな目はマジだった。
今回ももちろん全力で受けた。
けど早稲田の時よりも気負いはなかった。
早稲田の時よりもラフな空気感を試験監督の人たちが作ってくれていてすごくやりやすかったし、高校生みたく制服じゃなくて私服やし茶髪にパーマやしでっけえバックパック背負ってきてたからみんなの覇気にノって気負おうにもにも無理だった。

くしくもその日は早稲田の合格発表の日だったから試験が終わってネットで確認。落ちてた。
何人くらいかな、100人はいなかったけどクラスの人数は普通に超えてたから60,70くらいは普通にいたと思うけど受かってたのが3人くらいで、編入の枠の狭さを痛感した。
それ見てから急に自信なくなったんめっちゃ覚えてる。

結果的には受かってたから今こうしてICUにいれるわけだけど、倍率は早稲田と同じくらいだったと思う。
相性、コンディション、運、いろいろ理由はあるだろうけど、編入したいと思ってその目的を達成するためのプロセスを自分で構築し、トライアンドエラーでやって、結果を出せたということはすごく良かったし、自信になったと思っている。

編入に関して俺が思うのは、編入は非常にマイノリティーな決断だし、狭き門であることも確かだが、自分をグレードアップさせるチャンスだし、自分が大学でやってきたことを検証する指標の一つになり得るとも思う。正直かなり自分の尻を叩いてやっていくか、俺のように日常生活と統合させなければ楽しいことがたくさんある大学生活の中で編入の勉強なんてやってられないとは思う。それでも、今の場所ではやれないことがあるなら、今の場所よりも自分にフィットした場所があると思うなら、今の場所よりも自分にとっていい場所があると思うなら、挑戦してみる価値はあると思う。
正直俺にとって編入はメリットしかない決断だった。
大学に在籍しながら自分をグレードアップさせるチャンスを得ることができる。こんなノーリスクで美味しい話はないと思う。

よく、「編入してまでくるって、そんなにやりたいことがあったの?」と聞かれるけどそんなものはなかった。強いて言うなら社会科学系の学問を専攻レベルで勉強したかったくらい。
自分の夢を達成するためにはここじゃ限界がある、今の自分じゃ、今の視野の狭さじゃ、ダメだと思ったから飛び出したいって思っただけ。
飛び出す先は東京か海外か、どっちでも良かった。

今こうして東京にいられることに感謝するとともに、
なんで東京に来たのかをいつも心に問いかけながらやっていきたいなって思う日々です。

「編入について」おしまい

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