内なる表現と外なる表現

2018/09/09

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突然だけど、俺、主体的に見た言葉として表現には内なる表現と外なる表現があるって思ってる。
俺は内なる表現はしてると思ってる。今外なる表現への過渡期、かな。
内なる表現よりも外なる表現の方がハードルが高い。
というのも、まず定義から言うと内なる表現ってのは他者の表現したものを自分なりの文脈や思想から表現していくことだと考えていて。具体的に言うと、例えば俺はコムデギャルソンっていうファッションのブランドが好きなんだけど、なんで好きかと言うとそのphilosophyや世界観、空気感が好きだから。そのコムデギャルソンのデザイナーが表現して、ビジネスマンがマーケットにアプローチして、マーケットに出てきたその作品を纏うことによってコムデギャルソンが生み出した自分にフィットした思想や世界観を表現する。それは俺が俺の世界観や思想をもとに生み出したものではないから関節的な自己表現であり、完璧ではないが限りなく自分の理想に近いものであり、それを纏うことで俺は自分を表現し、自分とは何者であるのかを知り、自分が自分であることを実感する。
内なる表現を高めることには、2つのやり方がある。
まずは、自分を深め、自分を知ることから始めるやり方。そこを起点に、自分にフィットする表現を探していくやり方である。
そしてもう一つはたくさんのものに触れて、本当に自分の心の琴線に触れるものはなんなのかを認識し、だんだん自分を認識していくやり方。
俺は最初後者のやり方から入り、だんだんと自分を知っていった。今では自分がどんなものが好きで、どんなものがフィットして、どんな世界観や空気感が好きなのか、ある程度掴むことができる。大抵の人がどちらかと言うとそっちのプロセスを踏んでいるのではないだろうかと思うが。
俺はかなり俺の内なる表現を深めつつあると思っている。服、小物、生活スタイル、部屋、食事…そういったものを表現していくことで自分を知り、自分が固まり、自分が自分らしく在ることができ、思想や世界観、空気感が出来ていく。そして「本当の豊かさ」も。それはやがて人間力というものに繋がっていくと思っている。内なる表現に根付いた本当の豊かさから本当の人間力は生まれる。そしてそこから「本当の優しさ」は生まれる。

次に外なる表現の定義にいこうと思う。外なる表現は、内なる表現にとどまらず、自分で自分の想う世界観や思想を表現、創造すること。それをしている人は、いわゆるアーティストである。これは一般的な意味のアーティストだけじゃなくて、自分の思想にそって誰かの作った表現を自分に合わせていくのではなく、自分を誰かの作った表現の中に見つけていくのではなく、自分の純度100%のものを表現すること。「本当の美しさ」。類稀なる表現力と想像力、思考力を持った天性のアーティスト以外は、内なる表現を繰り返し、自分を見つけてから外なる表現に昇華していくものだと思っている。天性のアーティストは、そのプロセスを飛び越えて一気に自分を表現する。尾崎豊とか、そうだよね。

俺が考える「美しい」人はその内なる表現を限りなく裸の自分に擦り寄せることが出来ている人。そしてその結果として「本当の豊かさ」や「本当の優しさ」、「本当の美しさ」を体現出来ている人。そしてもっと言うならそれを外なる表現に落とし込めている人。
もっとそんな人を増やしていきたいって強く思う。そしたら絶対世界は今よりもっとやさしくなる。みんなが幸せになれる。そう信じてる。
まずは俺がもっと美しくなることから、だね。

俺はずっとアーティストになりたかった。創造する人に、表現する人に、なりたかった。クリエイターとか、アーティストとか、アートディレクターとか最高にかっこいいなって思ってた。湧き出てくる想い。これは正直なものでさ、俺の夢。アーティストとして俺の想いを形にして人々に届けて、それで笑ったり泣いたり感動したり、してもらいたいんだよね。でも俺は天性のアーティストじゃなかった。現に今も外なる表現をすることはできてない。内なる表現を深めるとこで終わってる。大学でちょっと芸術学んだからって言っても、そんなもん。基本的に学んでたのが思想や芸術解釈系だったってのもあるけど、それは完全に芸術系の大学には俺が振り切れなかったから。逃げて総合大学の芸術コースにいったから。やっぱり俺は天性のアーティストじゃなかったんだ。

そんな時俺はもう一つの、より大きな幸せを見つけた。
それは、アーティストとして作品を作り、それを世に出すだけじゃなくて、誰かと作品を作って、それを世に出して、喜びを分かち合ったほうがより幸せだってこと。
俺はただのアーティストになりたいわけじゃないんだって思った。仲間を、チームを、ファミリーを作って一緒に創っていきたいんだって気づいた。
そこからビジネスの世界にいこうと決めた。

俺は天性のアーティストではなかったのかもしれない。だけど、ただのアーティストではなくて、アーティストとビジネスマンのエッセンス両方を鍛えて、バランス感覚を養えば、もっと俺のなりたいアーティストの形になれるんだって気付いたから。
現にそういう人もいた。スマイルズの遠山さんやコムデギャルソンの川久保さん、リバースプロジェクトの伊勢谷さんがそう。最高にかっこいいと思う。そんな人たちを俺は社会的芸術家と呼びたいと思っている。

そして、俺は社会的芸術家になって、本当の美しさや優しさ、豊かさに溢れたものを社会の上に創造し、継続させていくことで本当の美しさや優しさ、豊かさを人々の心に届ける。そして自分の意志で人生を選択し、自分を彩り、世界を彩る、そんな美しく生きる人を生み出すことで世界をよりやさしいものへと変えていきたいのだ。
それが俺の夢であり、志である。

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