さみしさの理由⑧

2018/09/09

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夏休みはやがて終わり、学校が始まる。
そこからが本当にきつかったような気がするなあ、、

そんな9月25日。

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選ぶ人生と人間の社会貢献度、それに伴う社会的評価の比例と自己顕示欲的人間本能の関連性、またそれに従って生じる社会的存在である自分と生物的存在である自分の乖離について。

これは大きな目でカテゴライズするなれば人生論のようなものであると考えているが、しっかり見てみるとここには国際関係問題や教育問題のエッセンスも詰まっていることがわかるだろう。
まさにタイトルの通りなのであるが、ある程度のレベルの国に生きる国民、あるいはそうではなくてもある程度の収入を得ている人の子供であれば自分の人生を選択する権利を得る。それは「職業選択の自由」みたいな言葉で資本主義的先進国の一種の指標みたいなものとして存在しているくらい、そのカテゴリに位置する国家の国民たれば持っている権利ではあるがその選択においても「枠」が存在する。その「枠」は、例えば開業医の息子が生まれながらにして医師になる宿命を背負っていることであるというような強度に差のある強制的天命のようなものであったり、一種の学歴フィルターみたいなものであったり。あるいは親や地方が越えきれていない限界みたいなものの中でまた子供達も選択をすることを余儀せざるを得ない場合だったりすると思う。その「枠」を外れた時、本当の自由や喜びに忠実に生きるという一見人間にとって至上の喜びであるように見える素晴らしさを得ることができる。

「 知らなければ選べない」

そう考えれば資本主義的先進国において最も重視され得るべきものは情報であり、その情報をいかに扱うかの技術や知識である。それから、「その情報を使えばこうなる」という知識を超越している場合に必要とされる、想像力も必要である。想像力に限界はない。定理に合わせた想像をすることによって人間は先を見通すことも可能になるし定理を外した想像をすることによって未来から逆算して現在を作り出すことだって可能になる。
話がずれたが、とりあえず資本主義的先進国に生きる国民としてその人生を全うしたいのであれば情報収集力、情報編集力、想像力は欠かせない。基本的にこの三つの力をバランスよく運用すればおそらく社会通念上のルールで成功することは以外と簡単なことだったりすると思う。逆にいうと以上の三つの力を甘く運用できる人こそが「頭のいい人」と言えるのかもれない。
ただ、以上の三つの力を手にするということは社会上の成功を視野に入れることができる一方でその道から逸脱する道を選択してしまうリスクも生じさせることとなる。

「彼はしりすぎた」

知りすぎることも不幸である。「枠」にとらわれていた方が多いに幸せといった場合は大いにある。医者の息子は黙って医者になっていた方が社会的な成功も得られてなんの不自由もなく暮らせていただろう。学歴フィルターというルールが全てだと思ってしまえばその割り振りの中で社会的最大価値を出せる、つまり社会的最大報酬を得られる企業を選べばいいだけだ。簡単だし学校に入った時点でゲームは決まってるなら諦めて遊んだ方が賢いのかもしれない。親もその親もずっと暮らしてきたような土地で自分も生まれ、そこで育ち、死んでいくのだろうというような幻想を抱いた時安らかにそれを受け入れることができたならばそれは幸せなことだと思う。そう、「枠」にとらわれていた方が幸せといった場合は大いにあるのだ。
知りすぎることによって自我が芽生え、夢が生まれ、挑戦は始まる。それは喜びであるが苦でもある。しかしその生き方は社会的に見れば利は大きい。「知って」きた者がさらに自分を追い込みながら高め、しのぎを削り合い結果を出す世界。そんな世界で生きるということを選択するということがつまり自由であり夢である。そして大いにしてその戦いの結果社会には利益が出る。その切磋琢磨の過程の中でアウトプットの質は上がっていき、社会的な利は大きくなっていくからである。近年の世界的な「枠」を外れた若者を礼賛する文化はこの観点からも説明することができる。
アメリカの大学生はバカみたいに勉強する。それなのにスポーツも芸術もする。遊んでだっている。そういった「枠」を作ればその「枠」にはまってその中で最高を競い合うと最終的にアメリカ標準の現世界におけるグローバルエリートが完成する。日本人はその基準の競争で勝てるわけがないでしょう。そもそも国家的に目指して、設定されている「枠」が違うんだから。グローバルエリートを目指す人は日本人としての「枠」を外れて自分の自己顕示欲や夢、自由を満たすことはできても、グローバルエリートな「枠」にはまってしまう。そこでもまた同じ問いが始まる。その「枠」を超えるためのものを知ってしまうかどうか。それによって。

結局、「枠」を超えて、本当の幸せを掴むためには、自分の心を信じていくしかないのだろうなあと思った。そのためには情報収集、情報編集、想像。それから勇気と意思、か。

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