社会的芸術家としての尾崎豊ー全貌ー(2014年4月ごろ、西南学院大学2年在学時)

2018/09/09

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尾崎豊

Unknown

• 尾崎の活躍した時代→1980年代

• 1980年代→学校は偏差値重視教育。学力格差が生まれ、「落ちこぼ

れ」が登場。校内暴力や非行の風が吹き荒れる一方、世間はバブルの

好景気に浮かれていた。

• 子供たちは何を信じればよいのか分からず、社会に疑問を抱いてい

た。

• 1982年、17歳でソニーのオーディションに合格。18歳でデビュー。まだ高校生だった。

「10代の教祖」

• 「10代の教祖」「若者の代弁者」→マスコミがファンの熱狂度合いの

高さと歌う歌詞の反社会的側面に着目し、尾崎につけた呼び名。

• 代表曲→「15の夜」「卒業」など

• 15の夜→1stアルバム「17歳の地図」に収録。窃盗や未成年喫煙の歌

詞が世間に衝撃を与えたと言う。

• 卒業→「不良」としてのパブリックイメージが定着することとなった

尾崎の代表曲。歌詞をまねて若者が校舎の窓ガラスを割るという事件

が多発した。

尾崎豊の反社会性

• 尾崎豊に反社会性はないと考える→存在したのは二面性。

• 小学校時代のいじめ⇄そこからの自力脱却。

• 中学時代の繰り返される非行、停学⇄3年間学級委員、3年時には生徒

会副会長。文化祭実行委員長。成績優秀。

• 高校時代も変わらず繰り返す非行、停学⇄課外活動(アルバイト、音

楽活動)

• 「15の夜」「卒業」の解釈→ 若者にとっての身近なテーマから掘り

下げ、不良、優等生に関わらず若者がぶち当たる疑問や抱く想いを歌

った。

OzakiYutaka

二面性の根幹にある諦念

• 「40歳で生まれてきたんじゃないか」 尾崎のプロデューサー、須藤

晃氏はそう語った→年齢に見合わぬ達観、老成度合い。

• 学校、社会を俯瞰分析→同級生はもちろん、大人たちの心をも推察。

• 自分という軸を確保しながらも様々な世界に足を踏み入れる→二面性

の誕生。(いじめられながらも自力で脱却。普通の学生を演じながら

も音楽活動。優等生ながら不良。)

• 根本にあったのは素朴な疑問。

音楽活動の原点

• 小学校時代のいじめによる不登校→その間家にあったギターを練習。

• 家族の影響で俳句や詩を嗜む。

• 思ったことをノートに書き溜めるように。

• 中学一年の文化祭でみんなの前で弾き語り→「褒められたことが純粋

に嬉しかった」

• ノートに思いを書き溜めるだけでなく、音楽に詞をのせるように。

尾崎豊の誕生

• ソニーのオーディションに応募→合格。シンガーソングライター尾崎

豊の誕生。

• 若者の想いを代弁する歌詞に圧倒的なライブパフォーマンスなど、

様々な要素が相まってものすごい勢いでブレイク。デビューライブの

僅か1年後にリリースした2ndアルバムの「回帰線」でオリコン初登場

1位を獲得。

 

 

この頃の尾崎

• 普通の一人のティーンエイジャーとして生きる中で見えてきた、感じ

た疑問をそのまま切り取り、言葉に昇華。純粋に歌い上げる。→同年

代の若者たちの心をつかむ一方、一面的な曲解で反体制、反社会的側

面のみ強調される。

• ライブにかけるプロ意識、情熱的なライブパフォーマンス。その一

方、所属レコード会社が推進した「OZAKI」。(甘いマスクながら露

出は少なめに。クールかつミステリアスに売り出す。)→カリスマ的

人気を博す。(教祖、代弁者、カリスマといった呼称に繋がる。)

代表曲

• 15の夜

• 卒業

• 十七歳の地図

• 街の風景

• 愛の消えた街

• 僕が僕であるために

 

 

参考文献

• 尾崎豊(1985)「誰かのクラクション」角川書店

• 横山正美(1994)「尾崎豊 午前0時の十時架」幻冬社

• 須藤晃(1994)「時間がなければ自由もないー尾崎豊覚書ー」ソニー

マガジンズ

• KAWADE夢ムック(2001) 「尾崎豊」河出書房新社

• 尾崎豊(2012)「NOTES 僕を知らない僕」新潮社

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