学術の世界での自分の目標ー「社会的芸術論」の構築とその手法ー

2018/09/09

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以前こういうエントリーを書いた。

その中で、自分は「大学における学びは面白い」と言い、その理由として、
「自分の想いに沿って学び、その想いを具体化していく作業であるからである」と理由付けた。
それでは、自分の想いとその学術的な具体化のルートとはなんなのか。
それを今回ここでは示したいと思う。

つまりこのエントリーは、自分の学術の世界での目標を示したものであり、
大学生活の学びにおける指標であり、自分の将来への道しるべを形成するためのフローであり、
それは「社会的芸術構想」における「社会的芸術論」の構築の手法を示したものであると言える。

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社会的芸術論

目的:

もっとみんなが幸せになれる世界を構築するためのTheoryを提示する。(in 卒論)…荒掴みした大きな思想物語となる。細かさは問わない。

単純化した基本的前提:

理性と感情、精神と身体、本音と建前といった二元論において人間や社会が構成されている。
(先行研究として構造主義、「社会有機体の三層化構造論」(シュタイナー)、「社会彫刻」(ボイス)、「共同幻想論」(吉本隆明)など)

原初的な問い:

「なぜ先進国の人々は幸せではないのか?(先進国の人々のほうが物質的豊かさは上なのに精神的幸福度は低い)」

原初的な答え:

「経済合理性の追求とそれに伴う行き過ぎた競争の上で生まれる豊かさは人々の心を幸せにはしない」ー現代社会のいびつさ

自身の経験、歴史、人間観、理想提示の芸術から成立した自身の想い:

「人々の心を幸せにするのは芸術(美しいもの。人とのつながり、愛、心といった感情的なもの含む)である」

自身の想いから派生した仮説:

「大人の自分や子供の自分、理性的な自分と感情的な自分、夢と現実、そういった相反する自分をバランスさせることができれば、人々はもっと幸福な人生を送ることができる。」

「それは平たく言うならば、(上記の定義における広義の意味での)芸術のessenceを社会の中に盛り込むことによって、より日常の中で幸せを感じる社会を構築することができるということになる」

検証フロー:

a. 「幸せ」とは?
b. 「芸術」の効用
c. どのようにして現在の社会は構築されたのか? この社会システムというのはTheory上はどうだったのか?現実はどうなのか? 過去の状況と比べてどうなのか?(メリット、デメリット)
d. 現在の社会の具体的問題点の抽出(幸福度の低下)→その解決策としての「社会的芸術論」
e. 社会的芸術論の有用性

検証フローの具体策:

a. 「幸せ」とは?
→「幸せとは?」のヒアリングを行う。(旅先で、街中で。)
→幸せな体験をする。(その「幸せ」の根源を探る)
→「幸せ」の哲学を研究する(理論として体系化されているものはあるのか? 「幸せ」についての論を探る)…マズローの欲求階層、現在の社会は幸せ?

b. 「芸術」の効用(美学)
→「理想提示」としての芸術作品(その作品を通じて人々にあるべき姿、幸せな姿を見せることで感情を喚起する作品)の研究
→幸せと「芸術」の相関性(実際に芸術作品が、人とのつながりが、愛が、心が、どう人の幸福感につながるのか。)の研究

c. どのようにして現在の社会は構築されたのか? この社会システムというのはTheory上はどうだったのか?現実はどうなのか? 過去の状況と比べてどうなのか?(メリット、デメリット)(政治学、経済学、歴史・現代情勢)

1. 歴史の検証
・地域ごと、カテゴリ(政治、経済、文化)ごとに分けてその流れを追う。
・過去と比べて現在の良いところ、悪いところ、歴史上における選択の根拠、時代変化の理由を洗い出す。(比較制度分析)
(着目すべきは人間存在というもの、そしてそれを司ってきていた思想。変わるもの、変わらぬもの。その社会システムへの影響、変遷。)…「うねり論」

2. 現代社会、地理、政経倫理、時事問題へとつなげる

・1.で洗い出し、自分なりの見方を持った上で改めて現実の社会を見てみる。
・上記の史実を経て至る今の時代、そのシステム、人間存在、思想。それらは本当に良い世界なのか?良い点、悪い点。

2,5. 上記のマクロ的な理解に加え、本や授業を通してミクロレベルでの理解を深める
(ex. 史実として、実存主義を破って構造主義が台頭するきっかけとしてクロード・レヴィ=ストロースの「悲しき熱帯」がある。というのはマクロ的な理解。実際にその中でレヴィ=ストロースが何を言っているのかを理解することがミクロ的な理解。)…このフェーズは終わりなく続けられるであろうため2,5とおいた。

d. 現在の社会の具体的問題点の抽出(幸福度の低下)…「資本主義対資本主義」など経済的観点、肌感覚からの抽出→その解決策としての「社会的芸術論」
→(現在の社会に実際に生きる自分から見て)「経済合理性の追求とそれに伴う行き過ぎた競争の中で生まれる豊かさは人々の心を幸せにはしない。」

→現に現状の社会では社会の変化に伴う価値観の変化として着実に物質的幸福中心主義から精神的幸福中心主義へと変化してきている。…ミレニアム世代(ex. シェアリングエコノミー、UXの重視、リノベーションなど)
→前提として、「人々は皆幸せになるために生きている。」(否定できない真実)
→幸せとはなんなのか?人はどういったときに本当に幸せを感じるのか?(a.の検証結果)
→「芸術」はどれほど幸せに寄与できる?(b.の検証結果)

e. 社会的芸術論の有用性(人類学)
→幸せを達成するためにはどうすればいいのか?…「社会的芸術論」であると考える。
→これまでの社会的芸術論の実例、功績、問題点
→自分なりの社会的芸術論の展開(消えつつあると言われる「大きな思想的物語」をあえて提示。全てバラバラのように見える事象も全て「社会的芸術」を根幹としてみてみれば説明できる)…ヨーゼフ・ボイス(社会彫刻)、ミヒャエル・エンデ、ルドルフ・シュタイナー、国家有機体論(ヘーゲル、スペンサー)、レヴィ・ストロース(構造主義)、社会学の概念(社会資本、ウェーバー、ブルデュー、パターン変数など)…
→それを基とした社会的芸術家としての自身のアクション実例とその気づき

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という以上のフローで研究を進めていきたいと考えている。
これを最終的に「社会的芸術論」として学術的に、社会的に有用な、説得力のある形で提唱することが自身の学術の世界における目標である。

この研究に興味を持っていただいた方、いい情報知ってるよ!って方、手伝えそう!って方、こんなのあるよ!っていうような情報をお持ちの方、
はたまた、こんなんだめやろ!っていうような意見まで、ガシガシお待ちしております。

学術的にも力のあるものにすることが「社会的芸術構想」において重要なことだと考えておりますので、お力添えしていただければ幸いです。

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